監修:渡邉裕之(墓まもり 事業部責任者/墓石業界 約18年)

お盆やお彼岸、年末のお墓参りで、お墓の掃除をされる方は多いと思います。けれども、よかれと思ってした掃除で、石に細かな傷をつけたり、つなぎ目(目地)を傷めたりしてしまうことがあります。

このページでは、富山・石川に多い、扉の付いた地上の納骨室のお墓を例に、ご家族が自分でできる掃除のしかたと、してはいけないことをまとめました。雪の季節の注意や、掃除のときに見ておきたい「直したほうがよいサイン」もあわせてご紹介します。

1. 掃除に向いている時期

2. 持ち物

持っていくもの使い道
バケツ・ひしゃく(墓地で借りられることも)水をかける・すすぐ
やわらかいスポンジ、やわらかい布(数枚)石の表面を洗う・拭く
やわらかい歯ブラシ彫った文字の中、細かいところ
割り箸・竹串目地や文字の溝に入ったごみをかき出す(金属の道具は使わない)
ほうき・ちりとり、ごみ袋落ち葉・枯れ花・線香の燃えかす
軍手、草取りの道具区画の中の草取り
乾いたタオル最後の水拭き・乾拭き
冬はプラスチックのスコップ、滑りにくい長靴雪の季節(6章)

3. 掃除の手順

  1. お参りのごあいさつ:はじめに手を合わせてから始める方が多いです。
  2. ごみを片付ける:落ち葉、枯れた花、お供え物の残り、線香の燃えかすを集めます。区画の中の草も抜いておきます。
  3. 上から水をかける:竿石(いちばん上の石)から順に、下へ向かって水をかけ、砂やほこりを流します。
  4. やわらかいスポンジで洗う:上から下へ、石の表面をなでるように洗います。強くこする必要はありません。
  5. 文字の中は歯ブラシで軽く:彫った文字に色が入っている場合は、こすりすぎると色が落ちることがあります。軽くなでる程度にしてください。
  6. 花立・水鉢・香炉の中を洗う:古い水や燃えかすがたまりやすい場所です。花立は抜けるものなら抜いて、中を洗います。
  7. 扉の前と水の通り道を見る:納骨室の扉の下や前の段差(水返し)、水抜きの穴に、落ち葉や泥が詰まっていないかを見て、取り除きます(5章)。
  8. すすいで、拭き上げる:きれいな水ですすいだあと、乾いたタオルで水気を拭き取ります。水滴が残ると、水あかの跡になることがあります。

4. してはいけないこと

してはいけないこと理由
金属たわし・かたいブラシ・研磨剤(クレンザーなど)でこする磨いた石の表面に細かな傷がつき、つやがなくなります。傷には汚れがたまりやすくなります
酸性・アルカリ性の強い洗剤、塩素系の漂白剤を使う石の色が変わったりシミになったりするほか、目地や金具を傷めることがあります。洗剤を使いたいときは、事前に墓まもりにご相談ください
家庭用の高圧洗浄機を、目地や文字に近づけて当てる目地のすき間や、文字に入れた色を傷めることがあります(墓まもりのクリーニングでは、石と目地の状態を見て洗い方を決めます)
冬に、凍ったお墓にお湯をかける急な温度の差で石を傷めるおそれがあります。かけた水がまた凍ることもあります
固まった雪や氷を、スコップでたたいたり削ったりする石の角が欠けることがあります(6章)
墓石の上に乗る、竿石を押したり動かしたりするずれ・転倒の原因になります。グラつきに気づいたら、そのままにしてご連絡ください
納骨室の石の扉を、道具でこじ開ける扉や枠の石、金具を傷めます。扉を開けるのは、納骨などで必要なときだけで十分です
扉のすき間や香炉にできた蜂の巣を、自分で取る刺されるおそれがあります。無理をせず、扉を開けずに専門の業者か墓まもりにご相談ください
お供え物を置いたまま帰る鳥や動物に荒らされたり、石にシミが残ったりします。お参りのあとは持ち帰るのが安心です

※古い墓地に多い、やわらかめの石(凝灰岩など)や、敷石に使われた薄い石は、御影石よりも傷みやすいため、水洗いだけにとどめてください。

5. 北陸の扉付きのお墓ならではの手入れ

北陸のお墓の多くは、ご遺骨を地上の納骨室に納め、正面か背面に石の扉が付いています。雨や雪解け水から納骨室を守るために、扉の下に段差(水返し)や水の逃げ道が作られています。掃除のときは、次の場所を見てください。

6. 雪の季節のお墓参りと掃除

7. 汚れの見分け方

見えるもの考えられることどうするか
緑や黒っぽいコケ・カビ日当たりや風通しが悪く、湿気がこもりやすい水とやわらかいブラシで落とします。根が深いものは無理にこすらず、クリーニングをご相談ください
白い粉や白い筋目地やつなぎ目から入った水が、中の成分を運び出していることがあります拭いても繰り返し出る場合は、目地の傷みのサインかもしれません。点検をおすすめします
赤茶色・黄色っぽいシミ金具や花立のサビが流れたもの、石に含まれる成分が変化したものなど原因によって落とし方が違います。洗剤でこする前にご相談ください
黒ずみ線香のすす、雨だれ、車の排気など水とスポンジで落ちる範囲で十分です
彫った文字の色が薄い・はげている年月や雨風で、文字に入れた色が落ちてきたもの色の入れ直しができます(お見積りは無料)

8. 掃除のときに見ておきたい「直したほうがよいサイン」

掃除はお墓の傷みに気づくよい機会です。次のようなことに気づいたら、写真を撮ってLINEで送っていただくか、お電話でご相談ください。

北陸のお墓では、地震の揺れにも雪や凍結にも、目地とつなぎ目が弱いところになりやすいと考えられています。早めに見つけて直せば、大きな工事にならずに済むことが多くあります。点検の時期と見るところは「雪の前・雪解けのあとのお墓の点検」、直す工事の例は「北陸のお墓の部分修理・リフォーム 10の例」をご覧ください。

9. 墓まもりにお任せいただけること

墓まもりでは、お墓のクリーニング(洗浄・コケやカビの除去)、彫った文字の色の入れ直し、花立・香炉などの金具の交換、目地の打ち直し、雪の前と雪解けの点検、お参りの代行をお受けしています。墓まもりで建てたお墓以外でもご依頼いただけます。料金は、お墓の写真を見てからお見積りします(お見積りは無料)。詳しくは「お墓のお手入れ・点検・お参りの代行」をご覧ください。

※クリーニングや修理は、新しく建てたお墓・建て替えたお墓に付く10年保証の対象外です。

施工例の「お墓石のクリーニング」では、コケで汚れていたお墓を全体洗浄し、風で線香やろうそくが消えてしまうというお悩みに合わせて、屋根付きの香焚きとお花立てを新しく取り付けました。掃除のついでに、使いにくいところもあわせてご相談いただけます。

よくあるご質問

Q. 墓石に台所用の中性洗剤を使ってもいいですか?
A. 基本は水とやわらかいスポンジで十分です。どうしても落ちない汚れがあるときは、石の種類や汚れの原因によって向き不向きがあるため、使う前にご相談ください。酸性・アルカリ性の強い洗剤や、塩素系の漂白剤は使わないでください。

Q. 冬にお墓参りに行ったら、お墓が雪で埋まっていました。どうすればいいですか?
A. プラスチックのスコップで、石から離れたところの雪だけをそっと除け、石のきわの雪や氷は無理に取らないでください。お湯や融雪剤も使わないでください。雪が深い年は、雪解けを待って春のお彼岸のころにお参りする方も多くいらっしゃいます。

Q. 遠方に住んでいて、なかなか掃除に行けません。
A. 墓まもりでお掃除とお参りの代行をお受けしています。立ち会いは要らず、作業の前と後の写真をLINEでお送りします。料金はお墓の写真を見てからお見積りします。詳しくは「お墓のお手入れ・点検・お参りの代行」をご覧ください。

ご相談・お見積り(無料)

このページの監修:墓まもり責任者 渡邉 裕之(墓石業界 約18年)/運営:ヤマイチ株式会社(1950年創業)・全石協加盟

最終更新日:2026年11月7日