砺波市・庄川峡の雪景色
写真:砺波市・庄川峡(©SHori/FIND/47、CC BY 4.0)をトリミング・リサイズ

北陸のお墓は、毎年、雪と凍結にさらされます。石そのものは硬くても、石と石の継ぎ目(目地)や、花立・香炉などの小さな部品は、冬のあいだに少しずつ傷んでいきます。そして、その傷みに気づくのは、たいてい雪が解けた春のお彼岸のころです。

このページでは、雪が降る前と、雪が解けたあとに、ご家族でお墓のどこを見ればよいかをまとめました。あわせて、冬のお墓参りで墓石を傷めないための注意もご紹介します。お参りのついでに10分ほどで確かめられる内容です。

1. なぜ「雪の前」と「雪解けのあと」なのか

冬のお墓で起きていることは、主に次の3つです。

つまり、雪の前に継ぎ目のすき間をふさいでおくことと、雪解けのあとにずれや割れを早めに見つけることが、お墓を長持ちさせるいちばんの近道です。北陸では、地震の揺れでずれる場所も同じ継ぎ目なので、継ぎ目の手入れは地震への備えにもなります。

2. 雪の前(11月〜12月初めごろ)の点検チェックリスト

見る場所確かめること気になるときは
竿石・台石の継ぎ目(目地)ひび、すき間、目地が欠けたり浮いたりしていないか雪の前に目地の打ち直しを。すき間を残したまま冬を越すと広がりやすい
竿石・上台指で軽く押してぐらつかないか、正面から見て向きがずれていないか無理に動かさず、写真を撮って石材店へ
納骨室の扉すっと開け閉めできるか、閉めたときにすき間がないか、扉の下に水がたまっていないか扉の調整・水返しの確認を
納骨室の中床がぬれていないか、骨壺のまわりに水や泥のあとがないか水が入っている場合は、継ぎ目か扉からの浸水の可能性。早めにご相談を
花立中に水が残っていないか、プラスチック製・鋳物製に割れやひびがないか水を抜いておく。割れやすいものはステンレス製への交換も
香炉・ろうそく立てガラスの扉や部品にひびがないか、ぐらつきがないか割れたガラスは雪の重みで落ちやすいので交換を
灯籠・墓誌・塔婆立て灯籠の火袋(灯りを入れる部分)など、小さな接着面の部品がぐらついていないか雪で落ちやすい部分。固定し直しを
外柵・敷石角のすき間、敷石の浮き・沈み、雨のあとに水たまりができていないか水たまりは水はけ不良のサイン。凍結で浮きやすい
墓地の周りお墓に覆いかぶさる枝、雪が落ちてきそうな屋根や斜面がないか枝払いは墓地の管理者に相談
墓地の通路冬のあいだ、どこまで車や人が入れるか冬に行けない墓地は、雪の前にお参りと片付けを

チェックした場所は、スマートフォンで写真を撮っておくと便利です。春に同じ場所を撮って比べれば、冬のあいだのずれや割れにすぐ気づけます。

3. 雪の前にしておきたい「お墓の冬支度」

4. 冬のお墓参りで気をつけたいこと

雪の季節にお参りされる方は、墓石を傷めないよう、次の点に気をつけてください。

  1. 雪はプラスチックのスコップや雪ブラシで払う:金属のスコップは、墓石の角や磨いた面に傷をつけたり、角を欠いたりすることがあります。
  2. 固まった雪や氷を、削ったりたたいたりしない:氷は石にしっかりくっついているので、無理にはがすと石の表面や目地まで傷めます。
  3. お湯をかけない:冷えきった石に熱いお湯をかけると、急な温度の差で石や目地が傷むことがあります。かけたお湯がすき間で凍り直すこともあります。
  4. 融雪剤(塩化カルシウムなど)を墓石のまわりにまかない:塩分が石や目地、金具を傷める原因になります。
  5. お墓のまわりでは足元に注意する:磨いた石の面は、少しの雪でもとても滑りやすくなります。また、お墓のまわりは雪が先に解けて、雪の下が空洞になっていることがあります。滑りにくい長靴でお参りください。
  6. 雪が深いときは、掘り出さずに解けるのを待つ:無理に掘ると、お墓も体も傷めます。お墓に行けない時期は、ご自宅のお仏壇やお寺でお参りする方も多くいらっしゃいます。

5. 雪解けのあと(3月下旬〜4月中旬ごろ)の点検

春のお彼岸のお参りは、冬のあいだの傷みを見つけるよい機会です。雪の前と同じ場所を見て、次の変化がないか確かめてください。

小さなずれや目地のひびをそのままにすると、そこから水が入り、次の冬にさらに大きく崩れやすくなります。春のうちに直しておけば、工事も小さくて済みます。

6. 見つかった傷みの直し方

見つかった傷み主な直し方
目地のひび・すき間古い目地を取り除き、打ち直す
竿石・上台のずれいったん外して据え直し、芯棒(ステンレスの棒)と接着剤で固定
花立の割れステンレス製などへの交換
香炉のガラス扉の割れ強化ガラスなどへの交換
納骨室の扉の閉まりにくさ・浸水扉の調整・作り替え、継ぎ目の打ち直し
敷石の浮き・沈み敷石を外して下地を直し、貼り直す

費用は、お墓の大きさや傷みの程度で変わるため、現地を確かめて無料でお見積りします。修理の例は「お墓の部分修理・リフォーム 10の例」をご覧ください。

7. 冬のあいだの工事について

お墓の組み立てや目地の打ち直しに使うセメントや接着剤は、気温が低いと固まりにくくなります。そのため墓まもりでは、天候と気温を見て、できるかぎり条件のよい日を選んで施工しています。傷みに気づいたら、雪の前でも雪の季節でも、まずはご相談ください。現地を確かめてお見積りをお出しし、施工の日程をご相談します。

8. 墓まもりのお墓の点検

墓まもりでは、雪の前(10月〜11月)と雪解け(3月〜4月)の点検、お墓のクリーニング、お参りの代行を承っています。墓まもりで建てたお墓以外でもご依頼いただけます。遠方にお住まいの方も立ち会いは要らず、作業の前と後の写真をLINEでお送りします。料金はお墓の写真を見てからお見積りします(お見積りは無料)。詳しくは「お墓のお手入れ・点検・お参りの代行」をご覧ください。

よくあるご質問

Q. 雪が深くてお墓に行けません。冬のあいだ放っておいても大丈夫ですか?
A. 雪に埋もれていること自体は、心配しすぎなくて大丈夫です。無理に掘り出すと、かえってお墓を傷めることがあります。雪の前に花立の水抜きなどの冬支度をしておき、雪解けのあとに点検してください。

Q. 遠方に住んでいて、雪の前後にお墓を見に行けません。
A. 墓まもりが立ち会いなしで点検し、作業の前と後の写真をLINEでお送りします。墓地の名前と区画番号、正面に彫られた家名を教えていただければ探せます。地図アプリでお墓の位置に印を付けて送っていただくと確実です。

ご相談・お見積り(無料)

このページの監修:墓まもり責任者 渡邉 裕之(墓石業界 約18年)/運営:ヤマイチ株式会社(1950年創業)・全石協加盟

最終更新日:2026年11月7日(毎年11月と3月に見直します)