
北陸のお墓は、毎年、雪と凍結にさらされます。石そのものは硬くても、石と石の継ぎ目(目地)や、花立・香炉などの小さな部品は、冬のあいだに少しずつ傷んでいきます。そして、その傷みに気づくのは、たいてい雪が解けた春のお彼岸のころです。
このページでは、雪が降る前と、雪が解けたあとに、ご家族でお墓のどこを見ればよいかをまとめました。あわせて、冬のお墓参りで墓石を傷めないための注意もご紹介します。お参りのついでに10分ほどで確かめられる内容です。
1. なぜ「雪の前」と「雪解けのあと」なのか
冬のお墓で起きていることは、主に次の3つです。
- しみ込んだ水が凍って広がる:水は凍ると体積がおよそ1割近く増えます。目地のすき間や石の小さなひびに入った水が、凍ったり解けたりをくり返すと、すき間は少しずつ広がっていきます。
- 雪の重みと、解け方のむら:お墓に積もった雪は重く、解けるときには日の当たる側と陰の側で解ける速さが違います。そのため、石が一方向に引っ張られたり押されたりして、少しずつずれることがあります。斜面の墓地では、この力が強くなります。
- 雪解け水が入り込む:傷んだ目地から雪解け水が入ると、台石の下や納骨室の中まで水が回り、次の冬にさらに傷みが進みます。
つまり、雪の前に継ぎ目のすき間をふさいでおくことと、雪解けのあとにずれや割れを早めに見つけることが、お墓を長持ちさせるいちばんの近道です。北陸では、地震の揺れでずれる場所も同じ継ぎ目なので、継ぎ目の手入れは地震への備えにもなります。
2. 雪の前(11月〜12月初めごろ)の点検チェックリスト
| 見る場所 | 確かめること | 気になるときは |
|---|---|---|
| 竿石・台石の継ぎ目(目地) | ひび、すき間、目地が欠けたり浮いたりしていないか | 雪の前に目地の打ち直しを。すき間を残したまま冬を越すと広がりやすい |
| 竿石・上台 | 指で軽く押してぐらつかないか、正面から見て向きがずれていないか | 無理に動かさず、写真を撮って石材店へ |
| 納骨室の扉 | すっと開け閉めできるか、閉めたときにすき間がないか、扉の下に水がたまっていないか | 扉の調整・水返しの確認を |
| 納骨室の中 | 床がぬれていないか、骨壺のまわりに水や泥のあとがないか | 水が入っている場合は、継ぎ目か扉からの浸水の可能性。早めにご相談を |
| 花立 | 中に水が残っていないか、プラスチック製・鋳物製に割れやひびがないか | 水を抜いておく。割れやすいものはステンレス製への交換も |
| 香炉・ろうそく立て | ガラスの扉や部品にひびがないか、ぐらつきがないか | 割れたガラスは雪の重みで落ちやすいので交換を |
| 灯籠・墓誌・塔婆立て | 灯籠の火袋(灯りを入れる部分)など、小さな接着面の部品がぐらついていないか | 雪で落ちやすい部分。固定し直しを |
| 外柵・敷石 | 角のすき間、敷石の浮き・沈み、雨のあとに水たまりができていないか | 水たまりは水はけ不良のサイン。凍結で浮きやすい |
| 墓地の周り | お墓に覆いかぶさる枝、雪が落ちてきそうな屋根や斜面がないか | 枝払いは墓地の管理者に相談 |
| 墓地の通路 | 冬のあいだ、どこまで車や人が入れるか | 冬に行けない墓地は、雪の前にお参りと片付けを |
チェックした場所は、スマートフォンで写真を撮っておくと便利です。春に同じ場所を撮って比べれば、冬のあいだのずれや割れにすぐ気づけます。
3. 雪の前にしておきたい「お墓の冬支度」
- 花立と水鉢の水を抜く:中に残った水が凍ると、花立や水鉢が割れる原因になります。
- お供え物・造花・ろうそくを持ち帰る:雪に埋もれたまま春まで残ると、汚れやしみの原因になります。
- 墓石の汚れを落としておく:やわらかい布やスポンジと水だけで十分です。洗剤や硬いたわしは、石の表面や目地を傷めることがあります。
- 納骨室の扉をしっかり閉める:扉が閉まりきっていないと、雪解け水が入ります。
- 割れやすい部品を替えておく:プラスチックや鋳物の花立、ガラスの香炉扉など、毎冬のように傷む部品は、ステンレスや強化ガラスのものに替えると安心です(費用はお墓を見てお見積りします)。
4. 冬のお墓参りで気をつけたいこと
雪の季節にお参りされる方は、墓石を傷めないよう、次の点に気をつけてください。
- 雪はプラスチックのスコップや雪ブラシで払う:金属のスコップは、墓石の角や磨いた面に傷をつけたり、角を欠いたりすることがあります。
- 固まった雪や氷を、削ったりたたいたりしない:氷は石にしっかりくっついているので、無理にはがすと石の表面や目地まで傷めます。
- お湯をかけない:冷えきった石に熱いお湯をかけると、急な温度の差で石や目地が傷むことがあります。かけたお湯がすき間で凍り直すこともあります。
- 融雪剤(塩化カルシウムなど)を墓石のまわりにまかない:塩分が石や目地、金具を傷める原因になります。
- お墓のまわりでは足元に注意する:磨いた石の面は、少しの雪でもとても滑りやすくなります。また、お墓のまわりは雪が先に解けて、雪の下が空洞になっていることがあります。滑りにくい長靴でお参りください。
- 雪が深いときは、掘り出さずに解けるのを待つ:無理に掘ると、お墓も体も傷めます。お墓に行けない時期は、ご自宅のお仏壇やお寺でお参りする方も多くいらっしゃいます。
5. 雪解けのあと(3月下旬〜4月中旬ごろ)の点検
春のお彼岸のお参りは、冬のあいだの傷みを見つけるよい機会です。雪の前と同じ場所を見て、次の変化がないか確かめてください。
- 竿石や台石が、冬の前よりずれたり回ったりしていないか(雪の前の写真と比べるとわかりやすい)
- 目地に新しいひびやすき間ができていないか
- 目地のすき間から草やこけが生えていないか(水が入り込んでいるサインです)
- 花立・香炉・灯籠などの部品の割れ・欠け・倒れ
- 納骨室の扉の閉まりにくさ、中の水たまり
- 敷石の浮き・沈み、外柵の角のすき間
小さなずれや目地のひびをそのままにすると、そこから水が入り、次の冬にさらに大きく崩れやすくなります。春のうちに直しておけば、工事も小さくて済みます。
6. 見つかった傷みの直し方
| 見つかった傷み | 主な直し方 |
|---|---|
| 目地のひび・すき間 | 古い目地を取り除き、打ち直す |
| 竿石・上台のずれ | いったん外して据え直し、芯棒(ステンレスの棒)と接着剤で固定 |
| 花立の割れ | ステンレス製などへの交換 |
| 香炉のガラス扉の割れ | 強化ガラスなどへの交換 |
| 納骨室の扉の閉まりにくさ・浸水 | 扉の調整・作り替え、継ぎ目の打ち直し |
| 敷石の浮き・沈み | 敷石を外して下地を直し、貼り直す |
費用は、お墓の大きさや傷みの程度で変わるため、現地を確かめて無料でお見積りします。修理の例は「お墓の部分修理・リフォーム 10の例」をご覧ください。
7. 冬のあいだの工事について
お墓の組み立てや目地の打ち直しに使うセメントや接着剤は、気温が低いと固まりにくくなります。そのため墓まもりでは、天候と気温を見て、できるかぎり条件のよい日を選んで施工しています。傷みに気づいたら、雪の前でも雪の季節でも、まずはご相談ください。現地を確かめてお見積りをお出しし、施工の日程をご相談します。
8. 墓まもりのお墓の点検
墓まもりでは、雪の前(10月〜11月)と雪解け(3月〜4月)の点検、お墓のクリーニング、お参りの代行を承っています。墓まもりで建てたお墓以外でもご依頼いただけます。遠方にお住まいの方も立ち会いは要らず、作業の前と後の写真をLINEでお送りします。料金はお墓の写真を見てからお見積りします(お見積りは無料)。詳しくは「お墓のお手入れ・点検・お参りの代行」をご覧ください。
よくあるご質問
Q. 雪が深くてお墓に行けません。冬のあいだ放っておいても大丈夫ですか?
A. 雪に埋もれていること自体は、心配しすぎなくて大丈夫です。無理に掘り出すと、かえってお墓を傷めることがあります。雪の前に花立の水抜きなどの冬支度をしておき、雪解けのあとに点検してください。
Q. 遠方に住んでいて、雪の前後にお墓を見に行けません。
A. 墓まもりが立ち会いなしで点検し、作業の前と後の写真をLINEでお送りします。墓地の名前と区画番号、正面に彫られた家名を教えていただければ探せます。地図アプリでお墓の位置に印を付けて送っていただくと確実です。
ご相談・お見積り(無料)
- 電話:076-456-2707(全店舗共通/10:00〜19:00・定休日なし。年末年始・夏季休暇は都度お知らせ)
- LINE:https://lin.ee/UQxRl7f(お墓の写真を送っていただくと、お話が早く進みます。電話・LINEはできるかぎり24時間対応)
- ご相談・お見積りは予約制です。屋外展示場は24時間ご見学いただけます。
- 店舗:本店(富山市野口)・呉羽店(富山市北二ツ屋)・山室店(県道65号線山室交差点の無人展示場)・魚津店(魚津市吉島)・氷見店(氷見市幸町 ハッピータウン屋外展示場)・滑川店(ショッピングセンター「エール」屋外展示場)・野々市店(石川県野々市市太平寺 レインボーハイツ1F)
このページの監修:墓まもり責任者 渡邉 裕之(墓石業界 約18年)/運営:ヤマイチ株式会社(1950年創業)・全石協加盟
最終更新日:2026年11月7日(毎年11月と3月に見直します)
