「古くなったから、もう建て替えるしかない」と思っていらっしゃる方は少なくありません。けれど、お墓の傷みの多くは、一部の石や部品だけで起きています。竿石や台石がしっかりしていれば、傷んだところだけを直したり、今ある石を洗って使い直したりして、費用を抑えながら長くお使いいただけます。

北陸のお墓は、扉の付いた納骨室を地上に石で組んだ大きな造りが多く、石の数も継ぎ目も多いのが特徴です。そのぶん、雨や雪、凍結の影響を受ける場所がはっきりしていて、「どこを直せばよいか」も見つけやすいのです。

このページでは、北陸のお墓でよくある10の修理・リフォームを、部位ごとに墓まもりの実例を交えてご紹介します。

監修:墓まもり 責任者 渡邉裕之(墓石業界 約18年)

1. 花立(お花立て)が取れた・割れた → ステンレスの花立に交換

よくある状態:真鍮や鋳物、プラスチックの花立が、根元から取れたり、割れたり、ねじが回らなくなったりしています。凍結と雪の重みをくり返し受けるうえ、毎回お水を替えるので、お墓の中でもとくに傷みやすい部品です。

直し方:錆びにくく割れにくいステンレス製の花立に取り替えます。

墓まもりの実例:真鍮製のお花立てが取れてしまっていたお墓で、ステンレスのお花立てに新品交換しました(施工例「お墓石の金具交換」)。

2. お線香・ろうそくが風で消える → 屋根付き・扉付きの香炉(香焚き)

よくある状態:香炉が低くて線香が立てにくい、風が強くて線香やろうそくがすぐ消える、雨水がたまって線香が湿る、というお声です。

直し方:屋根の付いた香炉(香焚き)や、扉付きの香炉に替えます。お線香を立てる高さもあわせて見直します。元の石と同じ石が高価な場合は、より手ごろな石で作る方法もあります。

墓まもりの実例:苔が付いて汚れ、風で線香・ろうそくが消えてしまうお墓で、全体を高圧洗浄し、新しい屋根付きの香焚きとお花立てを設置しました(施工例「お墓石のクリーニング」)。高さが低く線香が立たなかったお香焚きを新しく作ったお墓もあります(石張りリフォーム工事)。

3. 納骨室に水が入る・湿っている → 屋根・目地・水返しの手直し

よくある状態:扉を開けると納骨室の中が濡れている、骨瓶に水がたまっている、内側がかびている。昭和の中ごろに建てられたお墓では、納骨室の上に屋根になる石がなく、上から雨水が入り込んでいるものも見られます。

直し方:水の入り口を探して、ふさぎます。入り口は、①納骨室の上(屋根のない造り)、②石と石の継ぎ目の目地、③扉の下や合わせ目、の3つが多く、場所によって直し方が変わります。

墓まもりの実例:富山市北部のお墓で、上の石(笠)は今あるものを使い、下を新しく作り直しました。直す前は上から水がだだ漏れでしたが、新しい部分は継ぎ目のない一体型にしています(富山市北部で墓石完成)。

4. 納骨扉が開かない・すき間から蜂や虫が入る → 扉の調整・作り直し

よくある状態:扉が重くて開けにくい、開け方がわからない、扉のすき間から蜂が入り巣を作っている、扉の石が欠けた。地上納骨のお墓ならではのご相談です。

直し方:扉の合わせ目を調整したり、取っ手を付けたりします。すき間が大きい場合や欠けがひどい場合は、すき間の少ない御影石の扉に作り替えます。湿気を逃がす通気口(風窓)には、虫が入らないよう網を付けることもできます。蜂の巣がある場合は、安全のため扉を開けずにご連絡ください。

5. 石の継ぎ目(目地)が切れている → 目地の打ち直し

よくある状態:石と石の間の目地がひび割れたり、やせて隙間ができたり、そこから草が生えたりしています。白い粉や筋(白華)が出ていれば、水がしみ込んでいるサインです。

なぜ大切か:継ぎ目から入った水が冬に凍ると、ふくらんで石を押し広げ、春に解けると石が滑りやすくなります。北陸のお墓では、雪や凍結による傷みと、地震によるずれが、どちらも目地に集まります。目地の打ち直しは、雪への備えと地震への備えを同時にする、費用のわりに効果の大きい修理です。

直し方:古い目地を取り除き、石の面をきれいにしてから、石材用の材料で打ち直します。気温が低いと材料が固まりにくいため、施工の時期はご相談のうえ決めます。

6. 舞台・土間の石が剥がれた・割れた → 御影石への張り替え

よくある状態:お墓の前の、お参りする人が立つ石張りの段(舞台)や、区画の地面(土間)に貼った薄い黒い石が、浮いたり、剥がれたり、割れたりしています。富山の古いお墓に多い、玄昌石という薄い石を貼った仕上げでよく起きます。墓まもりの施工経験では、玄昌石の張り石は30年ほどたつと剥がれてくることが多くあります。

直し方:古い張り石をはがし、下地を整えて、水を吸いにくい御影石に張り替えます。雪や雨で滑りにくいよう、表面をざらっと仕上げる加工(バーナー加工)もお選びいただけます。

墓まもりの実例:玄昌石を敷き詰めた舞台と参道を、御影石の石張りに張り替えました。正面の参道はバーナー加工で滑りにくくし、お墓の本体は解体せずにリフォームしています(石張りリフォーム工事)。

7. 外柵(まわりの囲い)がぐらつく・傾いた → 組み直し・金具での固定

よくある状態:区画を囲む外柵の目地が剥がれて、石が手で押すと動く、外側に傾いている。とくに角の部分や、いくつもの石を組んだところで起きやすい傷みです。

直し方:ぐらついた石をいったん外して、基礎を確かめたうえで組み直します。継ぎ目は目地を打ち直し、角はL字の金具などでつないで固定します。

墓まもりの実例:目地が剥がれ、今にも倒れそうだった外柵を組み直し、施工当時より頑丈に復旧しました(石張りリフォーム工事)。竿石や台石が傾いた・ずれた場合も、ご相談ください。

8. 文字が読みにくい・色が抜けた → 文字の色入れ直し

よくある状態:竿石や墓誌の彫った文字の色が抜けて、読みにくくなっています。

直し方:文字の中を掃除して、色を入れ直します。ほかの修理とあわせて行うこともできます(石張りリフォーム工事では、彫刻部分の黒色もあわせて入れ直しました)。

9. お名前(法名)を彫り足したい → 追加彫刻

よくある状態:ご納骨にあわせて、墓誌(法名碑)や竿石の側面に、亡くなった方のお名前・法名・日付を彫り足したい、というご依頼です。

直し方:彫る文字の原稿を作り、ご確認いただいてから彫ります。ご納骨の日が決まっている場合は、早めにご相談ください。

10. 全体が古くなった → 今ある石を洗って使い直すリフォーム

よくある状態:竿石などの上の石はまだしっかりしているが、基礎がない、納骨室や舞台が傷んでいる、全体に水垢や苔がついている。昭和40年代ごろに建てられたお墓では、次のような傷みが重なっていることがよくあります。

直し方:使える石(竿石・上の台石など)は取り外して洗浄し、傷んだ部分(基礎・納骨室・舞台など)だけを新しく作って、組み直します。見た目は新しく建てたお墓のようになりますが、石を再使用するぶん、建て替えより費用を抑えられます。

墓まもりの実例:上3段を洗浄して再使用し、納骨室・基礎・舞台を新しく作ったリフォーム(施工例「お墓石のリフォーム」)、昭和40年代のお墓を、再使用できる部材を残してリフォームした例(リフォーム工事完成)があります。

修理・リフォームの費用について

費用は、お墓の大きさや石の種類、直す範囲、墓地の通路の広さ(重機や台車が入れるか)によって変わります。墓まもりでは、現地で傷みの原因を確かめてから、直す範囲と方法をご提案し、無料でお見積りします。どこまで直すかは、ご予算に合わせてご相談ください。

修理を頼む前に知っておいていただきたいこと

ご相談・お見積り(無料)

▶ 関連ページ:施工例 / お手入れ・点検・お参りの代行 / お墓の工法 / ご依頼の流れ / お問い合わせ